漢方治療では、「生薬(しょうやく)」と呼ばれる薬効のある動植物や鉱物を幾つか組み合わせた薬を用います。これが漢方薬です。生薬の配合の仕方や配分は、長年の臨床経験から体系化されてきたものです。一般的に穏やかな作用をするのが特徴です。身体全体に作用するのであり、現代医療のように、病巣だけに的をしぼって直接作用するのとは異なります。
現代薬と異なり、漢方薬の場合は、1日分を水でせんじて飲むことが必要です。誤った方法では、せっかくの漢方薬の有効成分を充分にせんじ出すことができません。 では、漢方薬をせんじには、どうしたらいいのでしょうか。 まずは、それにふさわしい道具をそろえます。漢方薬をせんじると匂いが移りますので、普段、料理やお茶を入れるのに使うものと区別することをお勧めします。 適した道具 せんじるのに、もっとも良いのは素焼きの土びんでしょう。しかし入手が困難な場合は、普通の土びん、あるいは耐熱ガラスを用いることも可能です。アルマイトの鍋ややかんでも大丈夫です。しかし鉄びんの場合、生薬に含まれるタンニンが鉄と反応し、化学変化を起こすことから、生薬をせんじるのには不向きです。
せんじ方 1.容器のなかに、漢方薬の1日分と、水3カップ(600cc)を入れます。 2.弱火にかけます。ふたはしません。 3.ふきこぼれないように注意しながら約40分、じっくりと煮詰めていきます。水が半量程度になったところで火からおろします。 *約40分で水が半量になる火加減が最適ということです。それよりも短い、つまり15分程度では、火加減が強すぎます。漢方薬のなかの有効成分が充分にせんじ出されていません。逆に、40分よりも長いと一度せんじ出された有効成分が再吸収されてしまいます。 充分に有効成分がせんじ出されたら、茶こしでかすをこします。かすをそのまま残しておくと、煮すぎた場合同様、せっかくの有効成分がかすに再吸収されてしまいます。
漢方治療では、「生薬(しょうやく)」と呼ばれる薬効のある動植物や鉱物を幾つか組み合わせた薬を用います。